そらぷちキッズキャンプは、2010年2月1日から北海道知事から「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」として認定されました。ご支援いただいております皆様に、厚く御礼を申し上げます。
今後は、「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」として、更に事業の質や安定性を求められることになります。社会的な責任を負うとともに、寄付金にかかる損金参入限度額の特例等の優遇措置が適応されます。
これからも更なる信頼性の向上、支援の広がり、活動の充実を図ってまいりますので、引き続きのあたたかいご支援、ご指導をお願いいたします。
“病気とたたかう子どもたちに夢のキャンプをつくろう”と有志が集まリ、2004年3月に任意団体として創設した「そらぷちキッズキャンプを創る会」は、2008年12月25日をもって「一般財団法人そらぷちキッズキャンプ」として登記を完了し、2010年2月1日に北海道庁から認定を受け「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」として新たな出発をいたしました。
そらぷちキッズキャンプの計画は、国内で活動する二つの流れが、ほぼ同時にこうしたキャンプをつくろうと動き出したことに端を発します。
一つは、医療者たちの取り組みです。
「創る会」の会長であった故・横山清七医師(元東海大学医学部小児外科教授)が1999年米国難病児キャンプに患児とともに参加、子どもたちが生きる実感をかみしめている様子に驚き、「ぜひ日本でも」と決意。その後、わたくし細谷が仲間の小児がん専門医らとともに実施していた「スマートムンストンキャンプ」に参加されるようになりました。「スマートムンストンキャンプ」は、小児がんを告知された子どもたちが参加するキャンプで、1998年から毎年、キャンプ地を固定せず日本各地の既存施設を利用し実施していました。そして2003年横山医師は、自身が会長となった第19回日本小児がん学会で、キャンプを中心にした子どものQOL(生活の質)向上をテーマに掲げ、その重要性を全国に発信しました。
もう一つは、公園づくりの専門家たちの取り組みでした。
松本守氏(元 国土交通省審議官)、浅野房世氏(東京農業大学園芸療法学教授)が「バリアフリーの公園という考え方を超えて、病気の子どもの幸せをサポートすることができないか」と考えるようになり、2002年に米国難病児キャンプを視察後、豊かな白然環境がある北海道滝川市や、その関係者とともに実現に向けて動き出しました。
このような思いを同じくする2つの取り組みが重なリ、日本で初めて、病気とたたかう子どもたちのために特別に配慮された常設のキャンプ場づくリが、実現に向けて進み始めたのです。
この法人は、自然体験を通じて、病気とたたかう子どもたちとその家族の「QOL(生活の質)の向上」や「心のケア」に寄与することを目的としています。具体的には、病気とたたかう子どもたちとその家族に対し、自然の中で安心して安全に楽しく過ごしてもらうため、特別に配慮されたキャンプ施設や自然体験プログラムを提供します。また地元滝川市立病院の協力のもと、医師や看護師による医療的なバックアップを行います。そして、病気の子どもやその家族が「たのしい思い出」「すばらしい仲間」「生きる力」「希望」を得ることを目指します。
また将来的には、より医療支援体制を充実させ、欧州の “こどもホスピス”のように「レスパイトケア(在宅闘病中の子どもを一時的に預かることによる家族への支援)」や「グリーフケア(子どもを亡くした家族への支援)」等を提供できるよう、事業展開していく所存です。
そしてその結果として、キャンプ地である北海道滝川市丸加高原から、「医療」や「福祉」の新しいあり方を日本全国に発信していきたいと考えています。また、この施設は、様々な寄付やボランティアにより支えられることになります。日本の中に真の意味での「寄付文化」や「ボランティア文化」をつくることができるのではと考えています。
このたび念願の法人格を取得し、これから信頼性の向上、支援の広がリ、活動の充実を図ってまいりますので、この小文をお読みいただいた皆様には、「公益財団法人そらぷちキッズキャンプ」の今後の活動に、なお一層のご理解・ご助力・ご支援を賜りますようお願い申しあげます。
(そらぷちキッズキャンプ 代表理事 細谷亮太)